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           メール・マガジン

      「FNサービス 問題解決おたすけマン」

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    ★第055号       ’00−08−04★

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     褒めるな、使え!

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Rational Process の研修

 

では、主催企業自体の必要で、アンケートをお取りになることがあり、写しが

講師にも送られて来ます。  即ち、<生徒>からもらう<通信簿>、ですな。

 

人生前半の<サーモスタット屋>商売にはそんなもの、もちろんあるわけ無い。

お客様から頂くのは、難しい要求やキビシイ検査結果。 達成してアタリマエ、

の世界。  リピート・オーダーだけがお褒めのしるし、、 でした。

 

そこで身に着いた習性か、それとも血液B型に特徴的なヒガミのせいか、つい

お叱りの方に注目したがるタイプの講師に私はなりました。 改善は永遠なり、

の精神。  教授法までを含めて、技法改良のヒントがそこにある、と信じて、、

 

でしたが、率直なところ、示唆に富むものは希でした。  一流企業の管理職、

さすがにソツが無いというか、当たり障り無い<ご挨拶>的記述がお上手です。

 

 

忘れがたいのもありました。 ご要望あらば多少とも応じましょう、という気

で読む習慣の私には、どうにも応じようが無かった、という意味で忘れがたい。

曰く、(こんな研修は無益、特に)「この講師は体質的に受け容れられない」。

 

技法も講師も、よほど嫌われたようで。  研修はその会社のお見立てだから

こちらが気に病む必要はないのだが、「この講師」はいささか気になります。

 

どんな点が、とは具体的に書かず、結論だけ。 能力に自信のある人、と善意

に解釈したいが、それなら尚更、書けなくちゃおかしいんじゃないか、キミ、、 

礼を失した受講者は講師の方も受け容れたくないんだ、ってこと考えたかな?

 

まあ、それほどのは後にも先にもこのお一人だけ。  業務の都合で半日遅参

されたので、他の受講者のブレーキになられぬよう、余分に心を砕いてご指導

申し上げたのですが、、 どうも、それが良くなかったか?  その時その場

で言ってくれりゃ、、、  悔しいが、後の祭り。

 

  ついでながら、

  このメルマガも、<100%受け容れ>を期待するものではありません。

  お気に召さない点は、どうぞご遠慮なく、メールでご指摘下さい。 

 

*   *

 

一方、講師の側も色々です。 誇大性傾向の人が多いのは職業柄と言うべきで

しょうが、褒め言葉を聞くことだけが生き甲斐、みたいなのまでおりましてね。

その一味に加わった当初は、違和感に悩みました。

 

褒められて嬉しがる?  それ、オメデタイって言うんだぜ。 そんなことで

よく講師が務まるもんだ、、  と口に出したりはもちろんしませんでしたが。

 

  思い出すのは、この頃はまず見かけなくなった自動車訪問セールスの一人、

  T社のベテランAさんの一言です。 「うん、たしかに良い車だねえ」と

  応じた私に、バッサリ、「褒めるお客さんは買わないんですよ」。

  たしかにサーモスタット屋は、<口車>には全然のらなかった、、

  

どんな心理か、一概ではないだろうけれども、<褒める>と<買わない>には

高い相関があるようです。  それはEM法講師体験でも同様。  たとえば、

 

*   *   *

 

研修アンケートによく見られる、「素晴らしい技法だ。 今後さらに勉強し、

ぜひ業務に活用したい」という趣旨の記述です。 これは一種のサヨウナラ、

嬉しがってはいられません。 「ああ、この人はここまでだな」。  残念。

 

技法は<教養>ではなく<ツール>です。 <使う>ものであって<勉強>の

対象とすべきものではない、と私は信じ、そう語り、「首を傾げず、いつでも

ご相談を、、」と結んでいるのに、、。   やはり、ワカッテナイんだ、と。

 

念のため月日を経てフォローしてみると、果たして「いやあ、忙しくて、、」。

たしか提供したのは、<つまらぬ忙しさを解消する武器>だったはずですぜ。

 

*   *   *   *

 

活用「したい」なんてのは、政治家やお役人の表現。 <逃げ>のココロです。

本当に<する>気なら、「活用します」と言うはず。 もちろん<誓約>など

こちらは求めていない。 にも拘わらず、「したい」とおっしゃるのは何故?

ははあ、<H>の人だからなんだ。  気を遣ってくれているんだ、、、

 

潜在意識で「技法など必要なし」と思っていても、<H>のバランス感覚で、

「会社の勧めを断わってはまずい」と判断し、形だけ受講されたのでしょう。

「したい」も「その程度に言っておかないと、、」のご挨拶。 即ち形だけ。

 

「素晴らしい技法!」がホンネなら、すぐ使い始めるはず。  使えば疑問も

生じるはず。   さらに勉強」すれば、もっと訊きたくなる、、 だろうに、

この種優等生風が質問して来たためしが無い。  ノメリ込みなき<H>、、、

 

*   *   *   *   *

 

という認識でしたが、珍しくも<ノメリ込むH>に最近出会いましたよ。

それが何と、我が息子。  やはり我が家、変わり者の血筋かな?

 

***************

 

 

 

●6月下旬のある晩、

 

末息子から「東京に出て来ている」と電話があり、遅い夕食を共にしました。

何があったの?  「KT法の受講で、、」。  おや、また何で今頃?

 

前から「いつでも教えるぞ。 家族には無料サービス、、」なんて誘っても

まるで興味を示さなかったのに。  それはともかく、大変結構、喜ばしい。

 

彼はM重工からH社研究開発部門へ転じて4年目、そこは「神様とキチガイ

と狸が棲む」という伝説のあるところ。 彼が巡り逢った上司は、あいにく

の大古狸。 まともな若者の胃袋をずいぶん痛め付けて下さったようです。

本人には青春の浪費とすら感じられた、石の上の3年間。  幸か不幸か、

 

そのプロジェクトが宙に浮き、大古狸さんとはサヨナラ。 やれやれ、、と

息をついたのは間違い。 今度の上司もまた狸。 3種類中、繁殖率が一番

高いのは狸らしい。  何から何まで混乱の極み、どう整理を付けたものか、

考えあぐねる。  真剣な若者の悩みは深い。  そこへたまたま、 

 

会社からの<お知らせ>。 藁をも掴む心境、休暇を取って自費参加した由。

1泊2日の短縮コース、講師は<社内インストラクター>。

 

 

その日は<状況分析>から<原因分析>まで。 未だ半分しか、だけれども

「いやあ面白い。あれは使えますね」。  おいおい、どこかで聞かされた

科白だが、それをお前さんの口から聞きたくはなかったぜ、、、

 

その心配は余分でした。 2週間ほど後、送られて来たメールで、彼の理解

や活用の程度がざっと分かりました。 以下その要約。 番号は返信に対応。

 

■まいど. (これが彼独特の書き出し)

 KT法のセミナーを受けて以降,極力KT的に業務を捉えようと心がけて

 いるのですが,これが実に楽しいです.

 クセになるまで時間がかかるかなぁ,と心配していましたが,意外にすぐ

 実行できるものなので,これは非常にお得な気分です.

 何が楽しいって,人間の性格や器まですぐに分析できるところですか,な?

 

2 

 不思議なことにKT的思考ができる人同士は,まるで共通言語を持って

 いるかのように話がサクサクまとまります.

 

 できない人,つまり今と前の親分なんかは代表事例ですが,この人達の

 欠点は 致命的で,ステートメントが存在しないのです.

 題目がなければ何も結論が出るわけがない,か.

 

 困るのは,こちらから誘導尋問してステートメントを決めてあげても,

 「いや,そういうことじゃなくて」とブチ壊しにかかる習性を持って

 いらっしゃること.

 

 ・・といった具合に,何が悪さをしているのかがすごく明確に把握できる

 ので,人間関係の形成ひとつをとっても役に立ちそうです.

 あくまで平和目的.

 

 可哀想なのは,潜在的にKT的思考ができているのに図式化できない人.

 親分のような人に会議をブチ壊されるたびにフラストレーションが溜まる

 一方です.

 そういう人には頭のデフラグにもなるKT法の受講を薦めています.

 

 問題解決というふれこみでなく,あなたのストレス少なくしましょう,

 いや もっと大胆に,あなたを幸せに導く,としても良いくらい.

 ただ,それだと 新興宗教みたいですね.

 でもあながち嘘ではないですよね.

                  ほな、また。(彼独特の結び) 

 

*   *

 

どうでしょ? これは間違いなく<使っている>から言えることばかり。

そしてこの印象なら、これからも使い続けるであろうこと、間違いない。 

息子よ、お前、見込みあるぞ!   で、私の返信。

 

1’

 大変結構。  話したと思うけど、憶える必要なし、とにかく使うだけ。

 すべては分析シートに作り込まれているのだから。

 

 KTのシートよりはEMのが、さらにEMのよりは私のが使いやすい

 と思うが、それはまたいずれ。

 

 心理学的判別と違って、その人の考え方のどこが具合悪いか、が分かる

 だけのことなのだが、まあ、「画に描いたような、、」だろ?

 

 つまり、心の働きという、普通なら目には見えないものが手に取るよう

 に見える、のが功徳なのさ。

 

 そこに麓式の知識が加われば、鬼に金棒。 私はもとから<鬼>だった

 し、EMではメシも食った。 まあ、アテにしてくれて良いだろう。

 

2’

 EMのウリは<共通思考言語>。 KT法の講師さんもそう言われたか

 どうか、聞かされずに実感できたのなら、お前さんもたいしたものだが、

 EMのCMもウソじゃないことが分かっただろ?

 

3’

 つまり親分たち、ダッチ・ロールする特性をお持ちだね。 ただ黙々と

 付き従って行くのでは、どこへも行き着かず、最後は山腹に激突、、?

 

 当面はPPAで対処し、併せてDA「現状脱却策の選定」、 もし心に

 抱いたプランがあるのなら同じく「A案、促進策の選定」とすべきかも。

 

4’

 人間関係形成に役立つ、の理解も大変結構。 一旦使って味を占めれば、

 まさに<人間関係ツール>であることが分かるし、そのように使った方が

 役立ちが遙かに大きい。

 

 特に世代間の開きが大きく、また同世代同士でも一体感が持ちにくい今、

 自分のキャラクタだけではどうにもなるもんじゃない。  そのための、

 またと無い武器なんだよ、この技法は。  大切に使って下さい。

 

 たとえ分析シートやKT語を用いずとも、ちょっと思い付いた、という

 感じで、「この点は?」くらいに。 たしかKTでは「ショートカット」

 とか言うようだが、<ちょい出し>で効果を上げると良い。

 

5’

 その人ごとの感性や活用力の違いで、必ずしも効き目が生じるとは期待す

 べくもないが、、  と言うのは、その種の人にありがちな受け取り方の

 一つが「なんだ、アタリマエじゃないか」なのでね。

 

 先夜も話したように、そういう人には「あなたのアタリマエが、誰にも

 アタリマエ、ではないかも」に気付いてもらわなくてはならない。

 その持ちかけが相手に了解されれば、という点に(奨める際、また、

 受講後も)留意して。

 

6’

 お前さんは飲み込みが良い。 そう感じ取ったのは、お前さんだから。

 誰もが、とは初めから期待しすぎないこと。

 

 「おたすけマン」のココロもそれなんだけど、分かってもらえたかな?

 

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彼との年齢差は35、色々好みは違って親子といえども、、 の不一致は

時にありました。 が、技法の功徳。 共通のツールを間に置いただけで、

話がツルツル通じること、こんな具合です。

 

その行動から見れば奇怪至極な上司も、技法で解けば「なんだ、ステート

メントがダメだったんだ!」。  なら、そこを補って差し上げれば良い。

尤も、役立つかどうかは相手様次第。  そこから先はやや運勢の問題。

 

ともかく、ハラを立てるには及ばない。  険しい目つきで相手を睨んだ

ところで、誰もハッピーにはならないし、仕事も捗りはしません。

 

幸い彼の場合、KT法は会社公認。 「私はこう考えます」では生意気と

思われかねないが、「このたび修得したこの技法に載せて分析しますと、」

とでもすれば、何となく謙虚で、相手も聞きやすかろう。

 

狸的突飛発言にも動じない。 「あ、それはまた後で。(分析シートの)

この辺で生かします」と預からせて頂く。  退ける必要はありません。

「それよりも今は、この点を、、」と、(やはり分析シートで)ポイント

を示して差し上げる、、、  分析シートという<あなたでも私でもない

ニュートラルなもの>を前にしなくては出来ない芸当ですよ、これは。

 

しかも、一旦「うん」と言ってもらえば、出来たその分析シートが証拠。

話が急に変わったら、それを出して、「ここを、こう入れ直しますか?

すると、こちらが、、、  ちょっと合いませんね、、」

 

その先全部を改めることにするか、思いつきの変更が取り下げられるか、

きっと狸さんもずいぶん考えるようになることでしょう。

 

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これでまた一つ、キャッチ・フレーズが出来ました。

Rational Process は狸退治のツール!>

                          ■竹島元一■

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